1461年、応仁の乱前夜の京。
大飢饉と疫病がこの国を襲った。
賀茂川ベリにはたった二ヶ月で八万を超える死体が積まれ、
人身売買、奴隷労働が横行する。
しかし、時の権力者は無能で享楽の日々を過ごすばかり。
貨幣経済が進み、富める者はより一層富み、
かつてない格差社会となっていた。
蓮田兵衛は、己の腕と才覚だけで混沌の世を泳ぐ自由人。
各地を放浪する彼の眼差しは、
ひとり遠く、暗黒時代の夜明けを見つめていた。
一方、才蔵はすさまじい武術の才能を秘めた若者。
天涯孤独で餓死寸前を生き延びたが、絶望の中にいた。
しかし、兵衛に見出され、鍛えられ、
才蔵は兵法者としての道を歩み始める。
才蔵の武器となるのは、“六尺棒”。
地獄の修行を終えた時、超人的な棒術を身につけた才蔵の前に敵は無い―。
時は来た―。
才蔵だけでなく、抜刀術の達人、槍使い、
金棒の怪力男、洋弓の朝鮮娘ら、
個性たっぷりのアウトローたちを束ねる兵衛。
ついに巨大な権力に向けて、
京の市中を舞台に空前絶後の都市暴動を仕掛ける。
行く手を阻むのは、
洛中警護役を担う骨皮道賢。
兵衛と道賢はかつて志を同じくした悪友ながら、
道を違えた間柄。
かつては道賢、いまは兵衛の想い人である高級遊女の芳王子が
二人の突き進む運命を静かに見届ける中、
“髑髏の刀”を手に一党を動かす道賢に立ち向かい、
兵衛は命を賭けた戦いに挑む。