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1月7日(火)実施 映画『室町無頼』 外国特派員協会記者会見 オフィシャルレポート

2025 年 1 月 7 日(火)に外国特派員協会にて会見が実施され、主演の大泉洋、そして監督・脚本の入江悠監督が登壇。現在、『侍タイムスリッパー』や昨日、ゴールデン・グローブ賞4冠に輝き再び注目を集めている『SHOGUN 将軍』など時代劇ブームが到来している中、主演の大泉洋と入江悠監督が日本の誇るべきカルチャーである“本格アクション時代劇”にかけた想いと魅力を全世界に向けて熱く語った。

外国特派員協会での試写上映後、会場から大きな拍手で迎えられた主演の大泉洋は「世界で日本の時代劇が盛り上がっていますので、『室町無頼』も世界に羽ばたく映画になったらいいなと思っています」入江悠監督は「『室町無頼』は完成までに8年かかっていて、僕の作品では最長。今回は大泉さんと登壇できて本当に嬉しいです」と挨拶。MCから完成まで年月がかかった理由について聞かれると大泉は「コロナ禍があったり、私と堤さんのスケジュールが合わなかったりと、色々な要因があって8年かかってしまった。8年前は43歳だったわけですが、8年でこんなにも驚きました(笑)。激しい立ち回りで満身創痍に、そういう点では是が非でももっと早くやらなくてはいけない映画だった。」と笑いを交えて回答。監督は「大泉さんの答えに追加すると、東映の大作でも無理じゃないですかというくらいエキストラが多い。そして野外戦ではなく京都の市街戦があり、それを撮ることができる場所を探していたら年月が経ってしまった」と答えた。そして「この役を演じるために生まれてきたのでは」というMCの感想に「NHKの『ファミリーヒストリー』で私の先祖が仙台藩の武士だったことが分かりました。先祖代々芸人かと思っていたのですが、武士をやるべくして生まれた、まさに運命だったと思います」と返すと、会場からは大きな笑いが湧き起こった。

会場の外国人特派員からの質問で、盟友であり宿敵となる兵衛と骨皮道賢(堤真一)の関係性について尋ねられた大泉は「兵衛と道賢は一緒に若い頃行動して、楽しいことも悪いこともした仲の良い間柄。日本は特に、会社での役割や肩書きで対立してしまったりしてしまうのかなと思います。もちろん今は違いますが、侍は『死』が身近にある時代。簡単に死んだり、殺してしまう。昔は仲が良かった二人が殺し合わなければいけない。そういう関係になってしまうのが物悲しいけれど、それが日本の時代劇を作るのに面白い部分。お互いの立場があるから戦うしかないという部分を大事にして演じました」と演技について明かした。また“笑いの間”の演出についての質問に入江監督は「笑いの間合いは監督が演出で狙えるものではないので、大泉さんのものだと思います(笑)。兵衛の弟子となる才蔵役の長尾謙杜くんとのシーンでは、大泉さんとは『二人の思い出になるようなことがあるといいよね』という話をしていて、大泉さんの演技を長尾くんが受けるというのが現場で膨らんでいってすごく楽しかったです」と現場を振り返った。

続いて、いつもとは違う役柄であることについての質問が挙がると大泉は「よく私がコミカルな役が多いとご存じでしたね」とひと笑いを取りつつ、「このようなヒロイックな役は初めてだったので日本のスーパーヒーロー、三船敏郎を意識して、『用心棒』のセリフ“斬られりゃ痛えぞ”を真似してました。トシロウ・ミフネを追い続けてました。“斬られりゃ痛えぞ”、真似してください」と答え、会場から爆笑が生まれた。

「黒澤明監督や『子連れ狼』、セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタンへのオマージュはあるのでしょうか?」という質問に監督は「ご指摘いただいたとおり、兵衛を大泉さんが演じるにあたって最初に思い浮かべたのは『用心棒』でした。大きな使命感を持っているわけではなく、風と共に訪れて去っていく。『用心棒』がマカロニ・ウエスタンに影響を与えて、僕はマカロニ・ウエスタンが大好きなので今この時代に返す、という循環が面白いなと。先ほど大泉さんが『三船を心に秘めて演じた』と言っていましたが、同じものを追い求めている感じがしてとても嬉しいです。映画ではとてつもない風を吹かしていて、それも『用心棒』をイメージしました。セリフが聞こえないとキャストからは苦情はありましたが(笑)、黒澤監督も同じだったのかなと。IMAXだと風が靡いているのが見えるので、観てもらえてたら嬉しいです」と語った。

最後にMCから「時代劇はこれで最後になりますか?」と聞かれた二人は「これから時代劇しかやらないかもしれません!」と大泉が、「時代劇が大好きなのでこれがヒットしてまた作れることを願っています。大泉さんにはこれに懲りず、また殺陣をやって欲しいです」と入江監督が答え、会場からは大きな拍手が起き、盛況のうちに会見は終了した。

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